OASIS®brand FLORAL FOAM - スミザーズオアシスジャパン

花業界を考える オアシス® 座談会

生花店、生産者、スミザーズ オアシス。
それぞれの立場から花業界の今とこれからを語り合う意見交換会です。
2012年 第1回(開催日:7月1日)
生花店 ※五十音順
【東京都】フローリストイグサ/井草隆 様 (Ig)
【東京都】フローリストイトウ/伊藤義明 様 (It)
【東京都】花征/田中一彦 様 (T)
【東京都】NARUSE FLORIST/成瀬もえ 様 (Nm)
【東京都】NARUSE FLORIST/成瀬ゆき様 (Ny)
生産者 ※五十音順
【千葉県】青木園芸/青木良平 様 (A)
【千葉県】イナバの花/稲葉修司 様 (In)
【長野県】堀木園芸/堀木拓也 様 (H)
【東京都】横山園芸/横山直樹 様 (Y)
会場ご協力:NARUSE FLORIST様

日本と海外の花業界の違いとは?

日本の花の品質は、世界でもトップクラス

生花店It : 僕は北米とか南米とかヨーロッパに行ったけど、日本の花が一番すばらしいよ。丁寧に作られていて。

生花店Ny : 前にNYで花屋をやっている人が店にきて、(色々な花を見て)『これはどこでどうやって作っているの?』ってすごく聞かれた。NYの市場ではMade in JAPANの花が来ると、高くても売れていく、日本人の作っている花は見ればすぐにわかるって言っていた。それと海外から来た人が言うのは、切り花だけ じゃなくて鉢物のバラエティがすごいって。

豊かな色彩感覚を持つ日本人だからこその品質

スナップ02生花店Ny : 日本人はものごとをよく観察しますよね。それは四季が豊かだからかもしれない。桜を見たり紅葉狩りをしたり、自然と何らかの接点を持とうとする。日が沈んでいって空の様子が少しずつ変わって行く様子を、いいな〜って思う感覚がある。

生花店It : 日本は四季がゆっくりと変わるからね。カナダに行って思ったのは、冬から春にざーっと変わったりと、 めまぐるしい。それに、広大な敷地に単色のグリーンがあって、そこに道が一本ある感じ。日本だと色々な木が複雑に混じり合っていて。そういうところから、 日本人は風景を見る目が備わっている。

生産者A : 日本は、四季折々に表情が変わる自然を見ると、それで癒される。だからこそ、作る花がより繊細になるんじゃないかな?

生産者H : 日本の人は微妙な色の濃淡がわかるから、うちで作っているバラに対しても『これのもうちょっとピンクベージュがかったのがいい』とか(細かいニュアンスを)言うんですよね。

でも、日本の花の消費がパリにはるかに及ばないのは何故?

生花店It : パリに行ったとき、花は日本の方が絶対いいと思ったし、フローリストも日本は切磋琢磨して技術も磨いている。でも、残念ながらお客が育っていない。それをすごく痛感した。週末だったんだけど、すごく素敵なブーケがずらっと10〜20個、配達を待っている。それも単価が日本円にして2万とか3万とか。日本だと、そういう状況にはなってない。(パリと日本の違いは)生活の中にどれだけ花が入っているか入ってないか、っていうことじゃないかな。

生産者H : 日本では、花を買うのはほとんど女の人で男性が買わない。ある意味、そこに未開拓の市場があるという考え方もある。料理や編み物をする男性タレントが増えているじゃないですか。だとすれば、お花を贈るという男も増えてきてもいい段階だと思う。今までは半分(女性)しか買われてなかったものを、あと半分(男性)に買って欲しい。

生花店It : そもそも花って、人の気持ちを伝える小道具でしょ。日本はお盆とかお彼岸とか行事があって、そういう行事やイベントに付随して花を買う人が圧倒的に多い。だけど、自分の気持ちを花に託して日常的に買うことが少ない、ということは常に感じている。

2.花の消費をどうやって伸ばしていくのか?

まずは、花に親しみを持ってもらうことから

スナップ04スミザーズオアシス : 私たちは花育という取り組みをやっているんですが、親世代の30代40代の方がその日初めて花を触るということがある。そういう中で育った子供は、花を飾るとか贈るという考え方がないまま育っちゃうわけですよね。

生産者A : だから僕らは保育園、幼稚園、小学校、中学校に行って、無償で花束を作って『大事な人にあげてね』って伝えている。来年も引き続きやろうと思う。

生産者Y : うちは花一輪運動をやっている。例えば、タクシー会社に話をして、花をタクシーの中に置かせてもらったりしている。(これからは)ガソリンスタンドでティッシュを配っているのを、花にするなど幅広くタイアップしていったらどうかな。

生花店T : 新聞に載っていた話だけど、月末の金曜日に1人に1本のひまわりを配っているところがある。1本持ち帰る人もいれば、(それをきっかけに)店内を見て行く人もいるらしい。

生産者A : たとえ買わなくても花屋さんに入る習慣をつくるというか……。非日常の香りや空間や美しいものがあって楽しい場所になるよう、花屋さんがもっと演出できればいいですね。

花を買いに来たお客さんに心地よく感じてもらう

生花店Ig : 花束はプレゼントするから、(買った人は花の質が)わからない。買った時に店のことをいいなと思ってもらわないと。だから店で気持ちよく過ごしてもらうようにしている。

生花店It : 花も大事だけど売る人の気持ちが大事だよね。例えば、花束を作っている時などお客さんを待たせている時間に気を配る。『いい花を選びましたね』と言ったり、産地のことを伝えたり。

生花店Ny : この前、お客さんに家で花保ちをよくする方法を伝えたら『そんな話を、今までしたことがない』と言われた。お花屋さんがお客さんとコミュニケーションしてないんですね。うちは、お客さんとよく話すようにしている。

花にまつわる背景をお客さんに伝える必要性

スナップ05生花店T : 今日ここで話しているようなことを、もっと一般のお客さんに伝えていけたらいいと思う。花を買いに来たお客さんに『この花はこういう人が作っていて、他とはちょっと違うから1週間飾ってみない?』とか。

生花店It : うちは、プライスカードに、産地や生産者の名前を書いている。作っている人の顔がわかった方がいいんじゃないかな。

生産者A : 僕はそこまでやるのには反対ですね。生産者の名前を出さない、という考え方もある。僕は黒子でいい。

生花店It : それは店の規模によるかもしれない。大量に花があるなら、名前を入れたものがスパイスとしてあるようにすればいいと思う。

3.質の高い花を届けるための生産者の取り組みとは?

悪条件の中で工夫することが花の質につながる

生花店It : 稲葉さんのカーネーションの色が綺麗なのはどうして?

生産者In : 水はそんなによくないですけどね。花と花の間隔をあけて根が伸びたいように伸びるようにしています。

生産者A : 花にとって良くない環境だと、生産者の腕が磨かれる。水も空気も土もいいという環境だと、人は怠ける。環境が悪いから、それを克服するために研究するんじゃないかな。

生産者In : (出荷する前に)捨てる勇気も必要ですね。量を出すという感覚ではなくて、良くない花は出荷しない。

自分の生産する花に独自性を出すこと

生産者A : (花は)隣の生産者と同じものを作って競争してもつまらない。それでは結局、誰も勝者になれない。だから僕はアジサイについては異色の方向に走っていて、欲しいと言ってくれる花屋さんの好みに合わせている。

生産者H : うちのバラは男の人が女性を口説くときに使って欲しい。それに共感してくれる花屋さん、仲卸さんが買ってくれたら嬉しい。

生花店への情報発信や見学の受け入れ

スナップ06生産者H : うちはブログを4年くらいやっていて、メールで見に来たいと言われることがある。都内から片道3時間半くらいかかるのに、それでも来てくれる人は、有り難いなと思う。花屋さんが若いスタッフを連れて見学に来ると、その子たちが温室の中に散らばって、なかなか戻って来ない。キャーキャー言いながら見ている。

生花店It : 花屋さんは花を見るのが楽しいんだよね。老若男女、年が違えども花の楽しさを共有できるじゃない?

生花店Ny : 一度、産地で花を見せてもらうと、『あの時に見た花だ〜!』って匂いから何から思い出せるんですよね。それをお客さんに伝えられればいいんだけど、(全員には難しいから)まずはスタッフの子から。それがうまい具合に伝染していくといい。

生花店It : 青木さんはポスターやカタログを丁寧につくっているよね。

生産者A : (アジサイは咲いた後に)色が変わるじゃないですか。花の名前と、(買う人が)イメージする色と違うので、そのギャップを埋めるためにやっている。それと、最初からグリーンに咲くんだと思っている人もいるから、満開から1ヵ月かけて色を変えていることをかなり説明しないと。(それをわかってもらえないと)『輸入物の方が安いよね。なんで、そんな(高い)値段するの?』と言われて終わっちゃう。

4.花業界のこれからのために今できることとは?

プロフェッショナルな「リアルフローリスト」であること

生産者A : 花屋さんはもっと目利きをして仕入れてほしい。初めて見た花を『素敵!最高!世界一!』って言う花屋さんがいると大丈夫かな?って思ってしまう。

生花店It : 市場を歩いていても、この中で本当に花屋さんと呼べる人はどんだけいるのかな?って思うことがある。例えば、昔は水揚げを自分で工夫してやっていたけど、残念ながら今は適当な水揚げでも売れる状況になっている。いま、(自分で工夫したり勉強したりといった)プロ意識を持っている人は、どれくらい、いるかな? 僕が増やしたいのは、プロ意識をもった「リアルフローリスト」なんだよね。

生花店Ig : 僕が本当にプロフェッショナルだなと思うのは、自分のできることを集中してやっていること。『あいつがアレをやっている』とか周りを気にしているうちはプロじゃないと思う。自分のお客さんの方だけを見て、よそ見をしないのがプロ。

生花店It : 花屋さんの技術は素晴らしいけど、個々の個性が弱いのかもしれない。最近思うのは、技術だけじゃなくて人間力を磨きたいな、と。人間に惚れて花を買う、っていう逆のパターンもあっていい。いろんな回路を伝わって花にたどりつけばいいと思う。海外だと、技術が上手い人もいればコメントが上手い人もいる。そういう点で、いろんなチャネルがあって花業界が広がっていったら面白いんじゃないのかな? みんな横一列で同じことしたって面白くない。

次の世代をどう育てていくか?

生花店It : いま、花屋さんって花を楽しんでいるだろうか? と思う。花屋さんが楽しんでいないとすれば、それは(勤務時間が長くて)生活の時間が短いせいもある。もっと余裕のある生活ができればいいんだけど。

生花店It : 僕はなるべく若いスタッフに任せて黒子になるようにしている。じゃないとスタッフが育たない。でも、今の若い子には、自分たちの頃と比べて情熱が感じられない。本を貸しても読んでなかったりする。 生産者H よくよく話すと、心の底では熱かったりするんですけどね。

生産者Y : うちに働きに来ている大学生のフレッシュな視点は参考になる。お互いに相乗効果が生まれている。

生花店と生産者がお互いに情報交換できる場をもっと!

スナップ08生花店It : 例えば、稲葉さんに『これを何本、これを何本で』とか頼んだらやってくれるのかな?

生産者In : できますよ。どれが10本、どれが20本みたいに。

生産者H : うちもやりますよ。

生花店Ig : (生産者への要望が伝わりにくい件について)こういう溝がなかなか埋まらない。グラジオラスを10本とか20本で買いたいのに100本でしか買えなかった りするよね。この想いが30年くらい届かない。花の種類だけじゃなくて、もうちょっと手前で切って欲しいとか、生の声が生産者に届くといいな〜と思うんだ よね。

生産者H : 今日は都合が悪くて来られない人(生産者)も『次は行きたい』って言っています。生産者は、こういう話を聞くために地方から出てくることを厭わない。それも仕事のうちだから。

スミザーズオアシス : 今回だけではなく、定期的にこういう場を設けていきたいと思っています。

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