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- 井草隆さん(FLORIST IGUSA)
花への想いや、お仕事の上で意識されていることなど、
フローリストの方々に様々なお話を伺います。


花そのものの価値が、花屋の価値
いま、花屋さんていろんなジャンルがあるけど、僕のスタンスとしては「いらっしゃいませ」ってお客さんに声をかけて花を送り出すことが、自分にとっての花屋。
日々、花を飾ってくれる方々に、どれだけ鮮度のいいものを正直な値段で送り出せるのか、という瞬間瞬間が、この先も花屋を続けていく上での勝負だと思う。
例えば、お花の値段とは別にデザイン費をいただくとか、いろんな付加価値の付け方があるとは思うんだけど、僕が考える花屋の価値って、いい産地の素晴らしい発色の花をちゃんとしたテクニックで水揚げして、きちんと花束にすること。
そういう花自身の価値が、花屋の生み出せる付加価値だと思う。僕はあまり花以外の価値は付けたくない。あくまで花で勝負したい。
花は生き物。花屋の基本は鮮度だと思う
花屋さんって、技術や色合わせ、デザインとかに頭がいきがちなんだけど、その前に大事な基本がある。
一番のスタートラインは、生もの商売だということ。
相手は生き物だから、こっちがだらけていると鮮度が落ちる。
鮮度が落ちた花をキレイにラッピングして売れたとしても、(お客さんのところで)保たないわけでしょ。
それは遠回しに自分の身に降り掛かってくるし、売れなければ、もちろん自分の身に降り掛かってくる。
相手が生き物だからこそ、常に手を入れて目を配ってないと、鮮度が落ちて売り物にならない。
そこが花屋としての基本、つまりスタート地点だと思う。
それ以外の、新しい品種とか良い技術とかはほんの数パーセントで、90数パーセントは鮮度を保つことだと思う。
その基本ができている人は、やっぱり花も売れてるもんね。

僕のスタンスは背中を見て感じ取ってもらう
僕が考えていることは、スタッフに言葉で伝えるというより、背中を見て感じ取ってもらうものだと思うし、実際に感じ取ってもらえていると思う。僕も親父の背中を見てきてるし。
もちろん、言葉で教える部分もあるんだけど、言葉にできないスタンスとかは、感じ取ってもらうしかない。
「スタッフ教育」ってよく言うけど、教育するんじゃなくて、ギラギラした目で(僕のすることを)見ていて欲しい。
でも、こっちがちゃんとしてないと、そういう目では見てくれないでしょ。
一日の中でどれだけのことを、いかに無駄のない動きでしなければいけないのか、僕も先輩たちを見て学んだから。
そういった、僕が学んで来た基本的な考え方や毎日の動きが(僕の背中を通じて)若い子たちに伝えていけたらと思ってます。
