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- 原健吾さん-フローリスト花咲
花への想いや、お仕事の上で意識されていることなど、
フローリストの方々に様々なお話を伺います。
2025.10.102025年ジャパンカップで優勝された
原健吾さん(フローリスト花咲 代表)に
インタビュー!
ベストパフォーマンスはいかにして生まれたか?
2025年6月25日(水)・26日(木)福岡県福岡市でJFTD花キューピット 2025 フラワーデザインコンテストが開催されました。見事に勝ち抜かれた原さんに、アイデアの着想や優勝までの道のりなどをお伺いしました。
Designer: 原 健吾さん Kengo Hara ( フローリスト花咲代表)静岡県田方郡函南町
Shop: フローリスト花咲
Tel: 055-978-9633
原さんが、フローリストとしてご活躍されるまでのステップをお教えていただけますか?
マミフラワーの講師であった両親が、地元(静岡県田方郡函南町)で生花店を創業したのが、『フローリスト花咲』のビジネスの始まりです。
私自身は、高校卒業後、特に進路を決めていたわけではなく、土木業などの短期間の仕事でお金を貯めては、バックパッカーとしてハワイやニュージーランドなど海外を旅する生活を送り自由に過ごしていました。そんなある時、父から家業を手伝うように言われたのがきっかけです。
当時は本当に何も分からなかったのですが、同世代で頑張っている若手のビジネスオーナーが多く、周囲から刺激を受けて、なんとなく花屋をやっている自分が恥ずかしくなり、勉強するようになりました。
もともと好奇心旺盛な性格でもあり、20代後半になると建築や美術にも興味を持ち、家業を手伝いながら、両親の仕事を学ぶというよりも、“見て覚える“ という方法で、自分らしいスタイルを築いていきました。
特にどこかのフラワースクールに通ったわけではありませんが、お店でオーダーを受けた時、恥をかきたくない一心で、本格的に勉強を始めました。



そこからコンテストにも挑戦されるようになったのですね?
ジャパンカップに初めて挑戦したのは30代です。特にスクールで学んだわけではありませんでしたが、自分が思う「きれい」がどこまで通用するのかを試してみたいと思うようになりました。当時は、フローリスト仲間のつながりがほとんどなかったため、業界の中での自分の立ち位置がまったく分かりませんでした。約15年間、継続して競技会に応募し、いろんなコンテストで自分の力を試してきました。
この度のジャパンカップでは、どのような想いで作品制作に臨まれましたか?
今回は「食卓」をテーマに、竹や和紙でパネルを作りました。この作品には、亡くなられた中山佳巳さんへの想いが込められています。中山さんは花業界のレジェンド的な方で、私をカタールやオランダ、アメリカなど海外でのデモンストレーションにアシスタントとして連れて行ってくださり、いつも応援してくれました。
テーブルのデザインは、中山さんとご一緒した中国での思い出のシーンをイメージしています。特に印象深かったのが、北京での国際イベントです。
アシスタントとしてではなく、初めて作品制作にも関わらせていただき、その経験が創作の原点になっています。
制作にあたっては、中山さんと一緒に歩いた万里の長城での体験を表現したいと考えました。「版築(はんちく)」という、地層のように壁をつくる建築技法があり、その版築が万里の長城でも使われています。塗版築(ぬりはんちく)は、ホテルや旅館などで、見た目を版築に模った左官の手法で、この度の作品では、その地層のような模様を和紙で表現し、130cmほどの長い器を使用することで、万里の長城が奥へどこまでも続いていく様子を体現しました。



このような素晴らしい作品を生み出すために、日頃から意識されていることや、影響を受けているものがあれば教えていただけますか?
私は、あまり複雑な加工をせず、植物のありのままの姿を活かして作品をつくりたいと常に思っています。花がまるで自然に育っているかのように、“自然美“を見せたいのです。これは、花そのものへの敬意でもありますね。もちろん、業界の皆さんの作品はすべて拝見し、ヒントをいただくことも多いです。
お花以外の分野からインスピレーションを得ることもあるのでしょうか。
よく参考にしているのが『商店建築』という雑誌です。私の住む三島市では若い方が起業されることが多く、カフェや美容院といった個人経営のお店の周年祝いなどで、お花をお贈りする機会が増えています。そうしたお店に届くお花は、他のお店からのお祝いと比較されることも少なくありません。そのため、建物のトレンドなどを意識しながら、空間に合った花器を選ぶといったことも大切にしています。

秋を感じる作品を制作頂きました。作品について、ご説明いただけますか?
秋の特長として、風が強くなり、草木が枯れ始め足元がスッキリしていきます。
野から採取した草花を”風で倒れるように” 生け、新商品のブラックエコを使用することで、グリーンを極力減らし足元をスッキリと仕上げました。水を張ることで、写り込みも綺麗に見える様意識しました。




- フローリスト花咲 https://www.f-hanasaki.com/
-
静岡県田方郡函南町仁田80-12
TEL 055-978-9633
営業時間 9:00 - 18:00
定休日 水曜日
花キューピット加盟店
https://www.instagram.com/florist_hanasaki


